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照ノ富士、雌伏経て 示した強さと精神力―大相撲夏場所

2023年05月27日20時56分

霧馬山(手前)を寄り切りで下し、6場所ぶり8度目の優勝を決めた照ノ富士=27日、東京・両国国技館

霧馬山(手前)を寄り切りで下し、6場所ぶり8度目の優勝を決めた照ノ富士=27日、東京・両国国技館

  • 照ノ富士(右)は霧馬山を寄り切りで下し、優勝を決める=27日、東京・両国国技館

 万雷の拍手を浴びて土俵から下り、支度部屋に戻ると、照ノ富士の表情がようやく緩んだ。「素直にうれしい。頑張ってきてよかった」。1年ぶりに遂げた優勝の味を、しみじみとかみしめた。

照ノ富士、復活優勝 6場所ぶり8度目―大相撲夏場所14日目

 相手はモンゴル生まれの後輩で、大関昇進へ突き進む霧馬山。横綱の力を示すには格好の一番だった。「この何場所かを見て、(霧馬山は)本当に力がついた。全力を出した」。真っ向勝負の我慢比べになったが、力強く寄り切り、8度目の賜杯獲得を決めた。
 昨年9月の秋場所を途中休場した後、古傷を抱える両膝の手術を受けて本土俵を離れた。その期間を振り返り、「一日一日を無駄にしたくない思いだった」。横綱に退路はない。痛みが癒えない中で支えになったのは、2桁の優勝回数という大きな目標。「自分がやりたいから。達成しないと、満足感がない」。大関から序二段まで転落しながら、番付の頂点を極めた。不屈の精神力があるだけに心は折れなかった。
 場所前は状態を不安視する声もあった中、いざ土俵に上がれば、圧力は健在。三役陣をはじめ、自身が休場している間に力を伸ばした力士を寄せ付けず、優勝争いのトップの座は一度も譲らなかった。「もう一度、頑張るという思いで臨んだ場所。やれることを精いっぱいやってきてよかった」。印象深い復活劇となった。

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