是枝監督「怪物」がクィア・パルム賞　カンヌ映画祭、独立賞

　フランスで開催中の第７６回カンヌ国際映画祭で、是枝裕和監督の新作「怪物」がクィア・パルム賞を受賞した。配給会社が２７日までに発表した。同賞は独立賞の一つで、ＬＧＢＴＱなどの性的少数者を扱った映画に授与される。２０１０年に創設され、映画祭各部門の全作品から選考される。日本映画の受賞は初という。

〔写真特集〕カンヌ国際映画祭

　「怪物」は、主人公２人の少年が抱える葛藤に端を発して起きる事件を、親や教師、子どもたちそれぞれの視点から描く。最高賞のパルムドールを競うコンペティション部門に出品されており、授賞式は現地時間２７日夜（日本時間２８日未明）に開かれる。
　配給会社によると、審査員長のジョン・キャメロン・ミッチェル監督は「登場人物のあらゆる面を、繊細な詩、深い思いやり、そして見事な技術で表現した是枝監督の『怪物』に満場一致で授与します」と講評。是枝監督は「この映画を愛していただいて感謝いたします。ありがとうございました」と語った。