「なぜこんな」不安な一夜 発生12時間で身柄確保―現場周辺、物々しく・長野猟銃立てこもり
2023年05月26日11時22分
長野県中野市で発生し、4人が死亡した猟銃立てこもり事件で、発生から一夜を経た26日朝、青木政憲容疑者(31)が逮捕された。銃声が響く中、眠れない夜を過ごした住民からは安堵(あんど)の一方、「ぞっとする」「なぜこんなことが」などの声が聞かれた。
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容疑者が立てこもった現場周辺は大勢の警察官に取り囲まれ、物々しい雰囲気に包まれていた。上空を複数のヘリコプターが飛び交い、パトカーや警察車両が赤色灯を点滅させながら巡回。容疑者が確保された午前4時半前後は周囲がうっすらと明るくなり始めた時間帯で、民家付近では多くの警察官や捜査車両が行き来していた。
県警は事件発生後、現場から半径300メートルを避難区域に指定していたが、身柄確保後の26日午前6時半ごろに解除された。付近の中学校に開設された避難所では、訪れた住民らが不安な夜を過ごし、身柄確保後は神妙な面持ちで帰路に就いた。
深夜に避難してきたという中野市江部の男性会社員(63)は「警察に促され、避難しないといけない雰囲気だと感じた」と話す。容疑者の家族について「しっかりしていると思っていたのでびっくりした」と話した。
現場の向かいに住む60代男性は「ほっとした。大変な一日だった」と振り返る。事件直後にパトカーの音を聞き、自宅を出た際に容疑者とみられる男を目撃したといい、「撃たれても仕方がない至近距離にいた。なぜこんなことを起こしてしまったのか」と疲れ切った表情で話した。
別の男性会社員(49)は午前3時すぎに避難所を訪れたという。「ゆうべは全く眠れなかった。中学生の娘がいるので、通学の時間と重なっていたらと思うとぞっとする」と不安そうに話した。