木原、健闘及ばず　五輪女王相手に見せ場も―世界卓球

　全てを出し切ったからこそ、木原の表情はすっきりとしていた。「自分の中では、結構いい試合になったんじゃないかと思う」と前向きな言葉が口を突く。「１ゲームでも取れたらいい」とまで思っていた東京五輪女王の陳夢を相手に、見せ場はつくった。
　得意のバックハンドがさえ、互角以上の打ち合いも演じた。１―２で迎えた第４ゲームでは、０―２から１０連続得点。「少し成長したかな」と手応えを感じた。
　２０２２年の世界選手権団体戦で初対戦。当時はコースが読みづらいサーブに対応できず、ストレート負けを喫した。「まずはミスをしないようにしよう」と臨んだ今回。ラリー戦に持ち込み、自分の形もつくることができた。
　「今後につながる試合だった。きょうのような思い切りを忘れずに戦いたい」。上位進出は逃したが、伸び盛りの１８歳には貴重な収穫もあった。（ダーバン時事）