第三者委参加を希望 裁判記録廃棄で遺族
2023年05月26日08時06分
「第三者委員会に遺族を加えるべきだ」。裁判記録廃棄問題で最高裁が調査結果などを盛り込んだ報告書を公表した25日、京都府亀岡市で2012年に起きた暴走事故で妊娠中だった長女=当時(26)=を亡くした中江美則さん(59)は、改善策として打ち出された常設の第三者委員会について自身が加わることを望んだ。
報告書によると、事故の記録は特別保存するかの検討がなされないまま廃棄されていた。中江さんは「人の命が奪われた結果はどんな記録も廃棄すべきではない。反省の気持ちがあるなら、被害者に対しても(廃棄の可否を)必ず確認すべきだ」と憤った。
第三者委設置については「私は(遺族の声を)代弁する役。そういう覚悟でいると裁判所に伝えたい」と訴えた。
神戸市で1997年に発生した連続児童殺傷事件で次男土師淳君=当時(11)=を亡くした守さん(67)は弁護士を通じてコメントを公表。「被害者遺族の苦しい心情に配慮してくれていると言えるかどうか、これから報告書を読み込んで内容を十分に精査し、検討したい」と記した。