霧馬山「自分の相撲を」 10勝目、大関へ前進―大相撲夏場所
2023年05月25日20時44分
霧馬山は己を貫こうと心に決めていた。勝てば、大関の座に近づく一番。貴景勝に快勝して10勝目を挙げ、昇進の目安となる三役での3場所で合計33勝に到達。「勝っても負けても、自分の相撲でいきたかった」。興奮を抑えながら振り返った。
余裕があった。大関の突っ張りをあてがい、難なく右差しに成功。休まずに出て土俵下まで退け、「思い切り当たっていくと決めていた」。その言葉通り、取り口に迷いは感じられなかった。
昇進が懸かる緊張からか、前半戦はやや消極的で、変化することもあった。3場所連続の2桁白星で成績としては十分だろうが、周囲を納得させる内容も求められるところ。霧馬山も反省から、「最近は立ち合いで自分から真っすぐ当たることを意識している」。終盤戦を迎え、力強く前に攻める形が見られるようになってきた。
大関への思いを聞かれても、「まだ3日ある」と素っ気なく振る舞う。賜杯争いでは1差で横綱照ノ富士を追う。見せ場をつくり、次の看板力士にふさわしい姿を披露する覚悟だ。