デサンティス氏、米大統領選に出馬 「打倒トランプ氏」が至上命令―ツイッターで演出もトラブル
2023年05月25日20時32分
【ワシントン時事】2024年米大統領選で、南部フロリダ州のロン・デサンティス知事(44)は24日、「偉大な米国の復活を導くために立候補する」と表明した。大統領の座を射止めるには、まず共和党の指名争いで、現在支持率で先頭を走るトランプ前大統領(76)を打ち負かさなければならない。
保守色濃い「ミニ・トランプ」 米大統領選立候補のデサンティス氏
デサンティス氏はこの日、連邦選挙委員会に立候補を届け出た後、ツイッターを通じて行われた実業家イーロン・マスク氏との対話で公約などを説明するはずだった。マスク氏のフォロワー、1億4000万人以上へのアピールを狙っていた。
しかしアクセスの殺到で、デサンティス氏らの音声が聞こえないトラブルに見舞われた。これを見たトランプ氏は早速、SNSで「デサンティスのツイッターによる選挙運動は大惨事となった。彼の全体の選挙戦も大失敗に終わるだろう」とやゆした。
デサンティス氏は下院議員を経て18年の知事選で、トランプ氏の全面的な支援を受けて当選した。その後、デサンティス氏は反リベラルを掲げ、人工妊娠中絶の規制強化や銃規制緩和など保守強硬的な政策を打ち出して注目を集めてきた。
「保守の新星」としてデサンティス氏への待望論が高まるにつれて、トランプ氏は、名前をもじって「デサンクティモニアス(聖人ぶったやつ)」と蔑称を付け中傷。テレビ広告で「大統領になる準備ができていない」と批判を強めている。
デサンティス氏の弱みは、保守的な政策がトランプ氏と共通しているため穏健派の間で支持基盤が築けない一方で、トランプ氏の「後継者」として同氏の強固な支持者を取り込めないことだ。4月に日本などを訪問したが、外交経験の乏しさも否めない。
共和党の指名争いを巡っては、トランプ氏、ヘイリー元国連大使、スコット上院議員らが名乗りを上げている。各種世論調査の最新の平均値によると、55.5%が「トランプ氏を選ぶ」と回答。2位のデサンティス氏は21.1%にとどまっている。
◇ロン・デサンティス氏
ロン・デサンティス氏 78年9月14日、南部フロリダ州生まれ、ハーバード大法科大学院修了。海軍に入隊しイラク派遣を経験。12年、連邦下院議員に初当選。18年の選挙に勝利して同州知事へ転身し、昨年再選を果たした。妻ケーシーさんとの間に2女1男。