政権と野党の協議、こう着 歳出削減巡り―米債務上限問題
2023年05月25日14時45分
【ワシントン時事】米連邦政府の借入限度額である「債務上限」問題で、バイデン政権と野党共和党の交渉は、歳出削減を巡ってこう着状態が続いている。マッカーシー下院議長(共和党)は24日の記者会見で、引き上げの条件として「支出を減らす必要がある」と従来通りの主張を繰り返した。
米メディアによると、共和党は2024年度予算で、政策により増減する裁量的経費を減らすことを要求。一方で政権は、向こう10年での歳出削減規模の拡大を提案している。
双方の交渉は断続的に続いているが、落としどころは見えないままだ。債務上限引き上げ関連法案を、共和党が多数を占める下院を含め議会が通さなければ、6月1日にも政府の支払いが滞る「可能性が高い」(イエレン財務長官)とされる。
米国が史上初めてデフォルト(債務不履行)に陥れば、金融市場が大混乱に陥り、世界経済が打撃を受けるのは必至だ。期限が刻一刻と迫る中、マッカーシー氏は「なおも隔たりがある部分は多い」としながらも、「デフォルトにはならない。問題を解決する」と合意に自信を示した。