東京ベイの躍進支えた眼力 スカウト担当の前川氏―ラグビー
2023年05月25日05時20分
ラグビーのリーグワンで東京ベイが初優勝を遂げた。トップリーグ時代には下部リーグも経験したチームの躍進は、若手の才能が花開いたことも大きかった。
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選手の採用を担当する前川泰慶チームディレクター(37)にとって、20日の埼玉との決勝は感慨深い結果になった。決勝トライが生まれた後半29分の一連のプレー。SH藤原忍がハイパントで攻撃の起点をつくり、最後はWTB木田晴斗がキックパスを受けてインゴールへ。2人とも24歳。前川氏が熱心に誘った選手だった。「最高。映像を何度も見返してしまう」
前川氏は現役時代にクボタ(現東京ベイ)のFWとして活躍。引退後は広報や普及を担当し、2018年からスカウトを任されている。同大出身で関西には豊富な情報網を持ち、木田には立命大1年のころから注目していたという。初めてプレーを見た大学の新人戦を「俺に回せというオーラがすごかった」と振り返る。
口説き文句は「一緒に日本一を目指そう。そうすれば日本代表の道も開ける」。天理大出身の藤原には、焼き肉店で熱い思いを伝えた。
前川氏が採った若手のPR紙森陽太、WTB根塚洸雅もチームの主軸に成長した。「競争が激しいだけに、スカウトした選手が活躍すると安心する」と実感を込める。選手を評価するポイントは一貫性。「毎回同じ強度でコンタクトしているかなどに注目する。気分で流される選手は違う」と厳しい。東京ベイを支える新戦力を発掘するため、さらに汗をかくつもりだ。