共通課題対処で「世界政府」を 元マレーシア首相が提唱
2023年05月24日20時32分
マレーシアのマハティール元首相(97)は24日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、新型コロナウイルスや気候変動、移民問題といった各国共通の問題に対処するため「世界政府」をつくるべきだと訴えた。その背景として、国連が安全保障理事会の常任理事国の拒否権行使により機能不全に陥っていることを挙げた。
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マハティール氏は「民主的組織ではない」と国連を批判。「世界政府」について、先進国や大国主導ではなく、全ての国に発言権があり、「世界各国に適用される国際法」に基づき拘束力を伴う決定ができる組織だと説明した。
21日に閉幕した先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に関しては、「同じ価値観を持つ人々が会議を開き、自分たちに都合の良い決定をしてもうまくいかない」と主張した。ロシアのウクライナ侵攻を巡り、インドやインドネシア、ブラジルなどはG7に同調しなかったとの見方も示した。
南シナ海で覇権主義的な動きを強める中国については、マレーシアは中国に友好的であり、「西側同盟に加わるつもりはない」と表明。昨夏にペロシ米下院議長(当時)が中国の反対にもかかわらず訪台したことなどを念頭に、「米国はみんなを中国と対決させようとしている」と批判した。