紛争の民間人死者、前年比5割増 「世界は保護の約束果たせず」―国連
2023年05月24日14時06分
【ニューヨークAFP時事】国連のグテレス事務総長は23日、安保理の会合で、紛争やその余波に巻き込まれた民間人が昨年急増し、「国際人道法に規定された民間人保護という約束を世界は果たせていない」と批判した。国連の集計では、2022年には12の紛争によって市民約1万7000人が死亡。前年比53%増を記録した。
グテレス氏によると、人口密集地域での「爆発性兵器」による犠牲者の94%は民間人だった。また、1億1700万人以上が戦争や治安悪化が原因で突発的な飢餓に直面。紛争や人権侵害、迫害で家を追われた難民は世界全体で1億人に達したという。
ロシアの侵攻を受けたウクライナだけでも、国連によれば民間人約8000人が死亡し、1万2500人以上が負傷した。ただ、実際の死傷者数はもっと多いとみられると指摘している。