ロシア首相訪中、結束強化へ G7対抗で接近加速
2023年05月23日16時49分
【北京時事】ロシアのミシュスチン首相は23日、中国への訪問を開始した。24日までの滞在で、習近平国家主席や李強首相と会談する見通し。中ロへの厳しい姿勢が示された先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に対抗し、結束強化を示す狙いだ。
ミシュスチン氏が中国を公式訪問するのは、2020年の首相就任後初めて。報道によると、西側の制裁対象者を含む大規模な経済代表団が同行し、エネルギー分野などでの中ロの協力拡大が打ち出される。
ミシュスチン氏は23日、上海のビジネスフォーラムに出席。「中ロの関係強化は両国経済にプラスの影響を与える」と強調し、中国への農産品輸出を大幅に増やす意向を示した。習氏とは24日に北京で会談するとみられる。
ロシアのウクライナ侵攻を巡って、中国は「中立」を標ぼう。ただ、対ロ制裁には一貫して加わらず、資源輸入などを通じてロシアの戦費調達を支えているのが実態だ。
中ロは対立する米国をにらみ、接近を深めており、3月には習氏がモスクワを訪れプーチン大統領と会談。今月22日には、警察・司法を統括する陳文清・共産党中央政法委書記がロシアでパトルシェフ安全保障会議書記と会談し、治安維持対策などについて話し合った。プーチン氏の年内訪中も計画されており、ミシュスチン氏の訪問はその地ならしも兼ねるもようだ。