米債務上限、合意至らず 大統領と下院議長、協議継続
2023年05月23日10時36分
【ワシントン時事】バイデン米大統領は22日、連邦政府の借入限度額である「債務上限」問題を巡り、マッカーシー下院議長(野党共和党)とホワイトハウスで会談したが、上限引き上げで合意に至らなかった。双方は協議を継続する。議会が速やかに上限を引き上げなければ、6月1日にも政府の支払いが滞る公算が大きく、先行き不透明感が強まりそうだ。
上限引き上げを巡っては、共和党が受け入れの条件として大幅な歳出削減を主張。一方、バイデン政権は共和党案では、再生可能エネルギー促進策などの財源や、大企業・富裕層への課税強化といった重要政策が削られるとして反発している。
マッカーシー氏は会談後、記者団に対し、バイデン氏との話し合いは「生産的だった」と述べたものの、「われわれには依然として、いくらか違いがある」と明かした。バイデン氏も声明で「デフォルト(債務不履行)は選択肢になく、唯一の打開策は超党派合意を目指す」ことだとの認識で一致したと強調した。
期限が迫る中、共和党が多数派の下院を含め、議会が関連法案を可決しなければ、米国が史上初めてデフォルトに陥る恐れが高まる。最も安全な資産とされる米国債がデフォルトとなれば、金融市場が大混乱に陥り、世界経済が大打撃を受けるのは必至だ。