「世界の心、広島で近づく」 ウクライナ避難民ら―ゼレンスキー氏G7参加
2023年05月22日07時08分
「広島で世界の心は近くなった」。ウクライナのゼレンスキー大統領が来日しG7サミットに参加したことに対し、同国の避難民らからは21日、「幸せで胸がいっぱい」「国際的影響力を高める一歩」などの声が上がった。
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広島県内のウクライナ人でつくる「広島ウクライナ人会」は同日午後、原爆ドーム横のおりづるタワーで記者会見した。
ホーチナ・アナスタシアさん(39)は「広島で世界中の心は近くなった。すごく大事なサミットになった。(核兵器が)絶対に使われないよう、みんなで頑張ってほしい」と強調。その上で「平和になるまでサポートしてほしい。それが世界の平和のために大事なことだ」と訴えた。
4月に子ども2人を連れて南東部ドニプロペトロウシク州から広島市に身を寄せたテスレンコ・ハンナさん(37)は「大統領が来てくれて幸せな気持ちで胸がいっぱい」と語った。軍事侵攻以前から住むホンチャリク・ナタリヤさん(48)は「戦争当初から精力的に活動し勇気がある」と自国大統領をたたえた。
会見には子どもを含む避難民ら約30人が参加。国歌を斉唱し、平和記念公園を訪問したゼレンスキー氏の車列に歓声を上げた。
東京都在住のユリヤ・ベルナツカさん(49)は昨年4月、首都キーウ(キエフ)から避難し、同胞の支援に取り組む。「ウクライナの国際的な影響力を高める一歩になる」とサミット参加を歓迎し、「この戦争はウクライナだけの問題ではない。再び平和が訪れるよう、各国リーダーは尽力してほしい」と願った。
埼玉県戸田市に避難しているアントニーナ・ダンチュークさん(39)は都内の支援団体事務所で、ゼレンスキー氏の会見中継を見守った。「私たちの気持ち全てを伝えてくれた。この言葉を多くの人に受け止めてほしい」と涙ながらに話した。戦争で負傷し今月来日した夫(47)も「他国と協力関係を築いて頑張ってほしい」と期待を込めた。