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大関とりの霧馬山、星勘定より内容の正念場〔大相撲夏場所〕

2023年05月20日20時15分

大相撲夏場所7日目、霧馬山(奥)は正代に寄り切られて2敗目=20日、東京・両国国技館

大相撲夏場所7日目、霧馬山(奥)は正代に寄り切られて2敗目=20日、東京・両国国技館

 大相撲夏場所7日目(20日、東京・両国国技館)、大関昇進を狙う霧馬山が正代に寄り切られ、2敗目を喫した。折り返しを前に、勝った取組も含めて星勘定よりも相撲内容が正念場を迎えている。

照ノ富士7連勝 大相撲夏場所7日目


◇正代にあえなく後退、引いて完敗

 立ち合い。当たりの強い正代だが、この日は「まわしを取られないように」もろ手で起こすように立ってきた。霧馬山は頭で当たる体勢ではあったが、踏み込みがない。

 正代が左をはずにあてがい、右を差して出るとたちまち後退した霧馬山。土俵際で回り込みはしたが、下がりながらまともに引いたところを土俵外へ追いやられた。

 3日目の阿炎戦は攻めて逆転負けだったが、勝った取組に力強さが乏しい。初日は翠富士に当ってからまともに引き、何とか肩透かしで仕留めた。

 4日目の錦富士戦は左へ体を開き、もつれた相撲で取り直しに。すると2番目も左へ変わり、反応されたところをはたき込んだ。5日目は琴ノ若に押し込まれ、かわして打ったすくい投げの白星だった。

◇霧馬山「何もできなかった」

 2日目の遠藤、前日の翔猿と元気のない相手には無難な勝ち方だったが、この日は「全然駄目だった。差されて何もできなかった。(立ち合いは)いつも通りまっすぐいけたけど」。言葉少なに反省を述べた。

 正代は「ちょっと消極的な感じもした。自分の立ち合いが良かっただけかもしれないけど」との印象を受けたという。

 初場所が小結で11勝、関脇の先場所は12勝で優勝した。大関が貴景勝1人の事情を考えると、星勘定だけなら2桁勝ち星を挙げれば昇進の検討対象になり得るだろう。

 だが、横綱・大関の昇進は言うまでもなく内容を問われる。大関の地位は関脇の延長線上ではない。相撲の型や特筆される強みを持ち、関脇以下に明らかな差を見せつけられる力がないと、昇進しても責任を果たせない。

 かど番の貴景勝が痛々しい姿で必死に戦っているのに対し、大関を目指す霧馬山の方がかすみ、ムードが盛り上がらない。プレッシャーなのか、それとも力を出し切れない体調なのか…。

 「あしたから、また」と言って取材を切り上げた。役力士との対戦が待つ後半戦を前に、8日目の宇良戦はどんな相撲を見せるか。(時事通信社 若林哲治)

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