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G7、核透明化へ「広島ビジョン」 ロシアの威嚇「許さず」―サミット開幕、ゼレンスキー氏20日にも来日

2023年05月20日00時17分

先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)のワーキングランチで記念撮影に応じる岸田文雄首相(右手前)、バイデン米大統領(左手前)ら=19日午後、広島市南区のグランドプリンスホテル広島(代表撮影)

先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)のワーキングランチで記念撮影に応じる岸田文雄首相(右手前)、バイデン米大統領(左手前)ら=19日午後、広島市南区のグランドプリンスホテル広島(代表撮影)

  • 記者団の取材に応じる岸田文雄首相=19日午後、広島市南区(代表撮影)

 先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は19日開幕し、広島市内のホテルで討議を行った。核軍縮に向けて核戦力データの透明化を訴える「G7首脳広島ビジョン」を発表。ウクライナ危機に関しては、ロシアによる核兵器の威嚇や使用は「許されない」と明記した首脳声明をまとめた。ウクライナのゼレンスキー大統領は20日にも来日し、21日に対面出席する。

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 岸田文雄首相は初日の討議を終え、記者団に「G7の揺るぎない結束を確認し、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くことで一致した」と説明。広島ビジョンについて「核軍縮に焦点を当てたG7初の独立首脳文書」と位置付け、「核兵器のない世界」に向けたG7首脳の決意を示すものだと強調した。
 また、首相は威圧的な動きを強める中国に関し、「責任ある行動を求めつつ、グローバルな課題では協働し、対話を通じた建設的かつ安定的な関係を構築する」ことが重要だとの認識で各首脳と一致したと明かした。「台湾海峡の平和と安定の重要性」も確認したという。
 広島ビジョンは、核兵器不使用の継続など首相が昨夏提唱した「ヒロシマ・アクション・プラン」を歓迎。中国を名指しし、「透明性を欠いた核戦力増強」に懸念を示した。核保有国と非保有国の対話も促した。
 ウクライナに関する首脳声明は、侵攻を続けるロシアを「最も強い言葉で非難」し、即時、完全かつ無条件の撤退を要求。対ロ制裁の強化とウクライナ支援の継続で一致した。ロシアに武器を供給する第三者を阻止するための連携強化も盛り込んだ。
 首相は討議の冒頭、「分断と対立ではなく、協調の国際社会実現への貢献を打ち出す」と表明。「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国への関与強化を訴え、賛同を得た。
 一方、各首脳は対話型AI(人工知能)の「チャットGPT」に代表される生成AIに関し、国際的なルール作りに向けた枠組み「広島AIプロセス」創設で合意。担当閣僚が議論し、年内に報告させることを申し合わせた。
 討議に先立ち、首相は広島市の平和記念公園でバイデン米大統領らを出迎えた。初めてG7首脳がそろって平和記念資料館(原爆資料館)を視察し、被爆者とも面会した。20日は韓国、インドをはじめとする招待国首脳を交えて食料問題などを協議。21日に首脳声明を採択して閉幕する。首相はゼレンスキー氏との個別会談も調整している。

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