無類の「赤土王者」 ナダル、来年で引退へ―男子テニス
2023年05月19日15時01分
男子テニスで四大大会歴代最多タイの通算22勝を誇るラファエル・ナダル(36)=スペイン=が18日、来年限りで現役を退く意向を示した。「来年がおそらくプロとして最後になる。最後の年を単なるパーティーにせず、最高のレベルで戦えるようにする」と記者会見で語った。
クレーコートでめっぽう強く、通算勝率は9割を超える。全仏オープンは史上最多14度の優勝を誇り、通算112勝3敗。左打ちから繰り出す強烈なスピンと強打のフォアハンド、抜群のフットワークで「赤土の王者」として君臨してきた。
近年は故障に苦しんだ。2021年はウィンブルドン選手権、東京五輪などを欠場。22年も肋骨(ろっこつ)骨折で離脱した。今年1月に負傷した股関節も全治6~8週間の見込みだったが回復が遅れ、初出場で優勝した05年から18年連続出場の全仏を今年は見送る。
数々の名勝負を繰り広げたロジャー・フェデラーさん(スイス)は昨年引退した。現世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を含む「ビッグ3」が長く頂点に君臨した一つの時代は終わりに近づく。
ナダルは「自分のテニス人生において重要な全ての大会にお別れを言いたい」と、モチベーションを語った。まずは休養して体を回復させ、ふさわしいフィナーレとするべく来年に備える。 (時事)