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生成AI活用へ「広島プロセス」 国際ルールに道筋―G7サミット

2023年05月18日07時58分

「チャットGPT」のパソコン画面

「チャットGPT」のパソコン画面

 対話型人工知能(AI)「チャットGPT」に世界の注目が集まり、生成AIは19日に開幕する先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で主要議題の一つに急浮上した。サミットでは規制と活用のバランスについて討議。AIに関する国際ルール作りとデータ流通の枠組み設立に取り組む「広島AIプロセス」を打ち出す。

G7、年内にAI見解 広島サミット、19日開幕

 AIを巡っては、利便性の一方でプライバシー侵害などの懸念が指摘される。AIが作った画像、文章などがプライバシーや著作権を侵害する恐れがあるほか、偽情報の拡散などに悪用されるリスクも抱えている。
 先月末のG7デジタル・技術相会合では、人権など基本的な価値観に基づいた「人間中心の信頼できるAI」を目指すことで一致した。サミットで議長を務める岸田文雄首相は、時事通信などのインタビューで「責任ある形での生成AIの活用の可能性に関する議論を主導し、今後の道筋を示していきたい」と意気込みを示した。
 ただ、G7の中にも規制に対する温度差がある。厳格な法規制に動く欧州に対し、日本や米国はガイドラインなどによる柔軟な規律の方がAIの発展につながるとの立場。国・地域ごとに規制が大きく異なれば、AIの開発や利活用の妨げになりかねない。日本としては、AIがもたらすリスクなどを検証しつつ、国際的なルール作りを通じて規制への相互理解を深め、適切な活用に向けた流れをつくりたい考えだ。
 広島プロセスには「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」を進めるための国際的な枠組みの設立も盛り込む。AI開発には膨大なデータの学習が不可欠。国境を越えた自由なデータのやりとりができなかったり、誤った情報が入り込んだりすれば、AIの性能にも影響する。
 DFFTは2019年に当時の安倍晋三首相が提唱した。4年を経て、恒久的な事務局機能を持つ枠組みの設立が固まった。岸田首相はDFFTの具体化に向けた前進も、サミットの成果と位置付ける。

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