雪辱期す男子のエース 張本智和、半世紀ぶりメダルを―世界卓球(上)
2023年05月17日07時09分
卓球の世界選手権個人戦は20日に南アフリカのダーバンで開幕する。中国選手の高い壁を乗り越え、日本勢のメダル獲得がなるか。来年のパリ五輪日本代表争いにおいて、明暗を分ける「大一番」となるかもしれない。
◇精神面も成長
個人戦で自身4度目となる大舞台。男子の張本智和(智和企画)が雪辱を期する思いは強い。2021年東京五輪後に行われた前回大会。飛躍を期待された日本のエースは、初戦の2回戦であっけなく散った。
国際大会で実績があったとはいえ、当時はまだ精神面が未熟だったと自覚する。高ぶる気持ちを抑え切れないまま、ポーランド選手に向かっていた。あれから2年。場数を積み重ね「今年は平常心でプレーできるんじゃないか。どんな困難が来ても受け止める自信はある」。同じ失敗は繰り返すまいと心に刻んでいる。
目標に定めるシングルスでのメダルは、日本男子にとって特別な意味を持つ。1979年に優勝した小野誠治を最後に、表彰台から半世紀近く遠ざかっているからだ。「水谷(隼)さんでもなし得なかったメダルを取って、ここから10年、15年と自分が日本代表の顔であると証明する大会にしたい」
国内のパリ五輪代表選考では、ポイントトップを独走。争いは来年1月の全日本選手権まで続くが、差を広げて年内に決着させようというもくろみもある。「ほとんどの選手は五輪に出ることが目標かもしれないが、僕は目指すだけじゃなくてメダルを取ろうとしている」。第一人者の強烈な自負―。目線を高く持ち、アフリカの地でさらに勢いを加速する心構えだ。
◇卓球男子、パリ五輪代表選考ポイント上位
◇ 男 子 点
※(1)張本 智和 323.5
※(2)戸上 隼輔 250
(3)吉山 僚一 172
(4)篠塚 大登 169
(5)田中 佑汰 160
(6)曽根 翔 145
※(7)及川 瑞基 124.5
※(8)吉村 真晴 118
(15日現在。上位2人がシングルス代表に。※は世界選手権出場)。