知人に「元金保証されてるか」 アリバイ工作も見えぬ動機―江戸川殺害、教諭逮捕から1週間・警視庁
2023年05月17日07時09分
東京都江戸川区の民家で2月、住人の山岸正文さん(63)が殺害された事件で、逮捕された中学教諭尾本幸祐容疑者(36)が「元金600万円は保証されてますよね」という内容のメッセージを知人に送っていたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。
中学教諭、競馬で数百万円損失 投資トラブルも、金銭困窮か―江戸川63歳男性殺害
尾本容疑者が殺人容疑で逮捕されてから17日で1週間。警視庁小松川署捜査本部などによると、アリバイ工作とみられる不審な動きをしていたものの、事件については調べに黙秘しており、動機をうかがわせるものはないという。
捜査関係者によると、携帯電話の解析の結果、尾本容疑者は「元金600万円は保証されてますよね」「やりくりが苦しくなった」という趣旨のメッセージを知人に送っていた。多額の資金を知人に預け、投資トラブルになった際のやりとりとみられる。
尾本容疑者は投資トラブル以外にも、競馬で数百万円の損失を出したほか、数百万円の借金があったという。
また、山岸さん宅から血が付着したマスクや眼鏡が見つかったことも判明した。マスクの血からは同容疑者のものと矛盾しないDNA型が検出され、山岸さん宅に侵入時、付着した疑いがあるという。
山岸さん宅周辺の防犯カメラを解析した結果、上下黒っぽい服装で山岸さん宅方向に徒歩で向かった尾本容疑者が、事件後に別の服装に着替えていたことも分かった。捜査から逃れる狙いだった可能性がある。
尾本容疑者は2月24日午後6時半ごろ、山岸さん宅で、山岸さんを複数回、刃物のようなもので切り付けるなどして殺害したとして逮捕された。
同容疑者は同日午前中、山岸さん宅から約200メートル離れた区立中に出勤した後、午後は半日休暇を申請していた。ただ、記録上は午後7時15分に退勤したことになっていたといい、事件発生時に職場にいたというアリバイ工作をしていたとみられる。