反軍革新系が第1党 野党で過半数、与党議席減―タイ総選挙、連立調整へ
2023年05月15日11時19分
【バンコク時事】タイで14日、4年ぶりとなる下院(任期4年、定数500)総選挙が実施された。選挙管理委員会の暫定開票によると、2014年のクーデター後の軍政を引き継ぐ親軍中心の与党は議席を減らし、軍や王制の変革を訴える革新系野党「前進党」が第1党となった。最大野党だったタクシン元首相派の「タイ貢献党」との合計は半数を大きく超え、焦点は政権交代に向けた連立調整に移る。
新政権誕生か、親軍継続か 与党劣勢、最大野党に支持―タイ総選挙、14日投開票
選管の15日未明(日本時間同日早朝)の発表によると開票率98%で、3月下旬の解散時に44議席だった前進党は151議席に躍進。ピタ党首(42)は「政権をつくる。首相になる準備はできている」と勝利を宣言した。また、貢献党は140議席になる見通しとなった。
一方、連立与党側は経済特区新設などの実績をアピールしたが苦戦。「民主党」などが議席を減らし、合計190議席に満たない。最大が「タイ誇り党」の71議席で、陸軍司令官としてクーデターを実行したプラユット首相(69)の「タイ団結国家建設党」は36議席にとどまる。
前進党は軍改革などを掲げて都市部の若者らを中心に支持を集め、バンコクの小選挙区33議席中32議席を獲得した他、貢献党が強かった北部でも勝利。貢献党は地盤の東北部を中心に議席を獲得した。