G7とクアッド「互いに強化を」 インド太平洋の秩序維持訴え―駐日豪大使
2023年05月14日07時19分
オーストラリアのジャスティン・ヘイハースト駐日大使がインタビューに応じ、先進7カ国(G7)と日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」について「互いに強化し合うことが重要だ」と強調した。主なやりとりは次の通り。
―G7とクアッドはどう連携していくか。
根本的に多くの課題を共有しており、二つの枠組みが互いに強化し合うことが重要だ。ロシアのウクライナ侵攻は世界を不安定化し、インド太平洋でも武力行使は壊滅的な影響を生むだろう。国際法はどこでも適用され、「力こそ正義」は許されない。G7には世界の安全保障への脅威に対する一貫した対応を期待し、同じくクアッドでも法に基づいたインド太平洋地域の秩序に関して強いメッセージを打ち出したい。
―G7首脳会議(サミット)の主要テーマとなる核軍縮をどう見るか。
ロシアの脅威と中国の核戦力拡充への懸念がある今、広島開催で焦点を当てるのは良い方法だ。G7がこの課題について、可能な限り強い宣言を出すことを支持する。(豪州が)導入を進める原子力潜水艦については、核兵器を搭載するものでなく核不拡散に逆行しないと断言する。高い基準を設け、国際原子力機関(IAEA)とも連携して透明性を保っていく。
―重要鉱物資源のサプライチェーン(供給網)強化と中国との取引のバランスをどう取るか。
中国を含むどんな相手とも、法に基づいた商取引を重視する。一つの市場に依存せずリスクを分散し、供給網が信頼できること、透明性の高い市場があることが重要だ。制度の中でどう相手国と連携するか、慎重に選択する。
―豪州の液化天然ガス(LNG)不足について方針は。
日本は最大の輸出相手国で、国内供給を保ちながら輸出継続を目指す。2030年までに国内の電力の80%以上の再生可能エネルギー化を目指しており、化石燃料の削減につながるだろう。気候変動とエネルギー安保にも、エネルギー転換によって対応できる。