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新政権誕生か、親軍継続か 与党劣勢、最大野党に支持―タイ総選挙、14日投開票

2023年05月14日07時20分

【図解】タイ下院総選挙の構図

【図解】タイ下院総選挙の構図

  • 12日、バンコクで演説するタイのプラユット首相(AFP時事)
  • 12日、バンコクで、支持者に向けて演説するタイ貢献党のペートンタン氏(EPA時事)
  • 12日、バンコクでの選挙集会で手を振る前進党のピタ党首(AFP時事)

 【バンコク時事】タイ下院(定数500)総選挙の投開票が14日、実施される。2014年のクーデター後の軍事政権を引き継ぐ連立与党が劣勢となる中で、タクシン元首相派の最大野党を中心とする新たな政権が誕生するのか、親軍路線が継続するのかが焦点となる。

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 3月に事実上始まった選挙戦は、与党側が実績をアピールするのに対し、反軍を掲げる野党優位で進んだ。タイ国立開発行政大学院が3~5月に計3回公表した世論調査によると、最大野党「タイ貢献党」は支持率1位を維持し続け、最新の結果では約38%の支持を集める。
 革新系の野党第2党「前進党」も、3月は10%台だった支持率が5月には30%台まで上昇。一方、与党は現職のプラユット首相が参加する「タイ団結国家建設党」が10%台で推移し、他党は数%以下と苦戦した。
 地元メディアや政治アナリストの分析では、貢献党が200議席以上を獲得するとみられる。第1党が確実視されるが、現行規定で首相選出には、軍政下で任命された親軍派の上院議員250人が加わった計750人の投票で過半数を得る必要があり、単独での政権樹立は難しい。
 このため、貢献党は政権奪取に向けて、最大で100議席を超える見通しの前進党などとの連立協議を活発化させるとみられる。ただ、若者を中心に王室改革を求める動きがある中、前進党が不敬罪改正を公約としているのに対し、貢献党は慎重な立場を取っており、両党が政権内で手を組むのは困難という指摘がある。
 一方の与党側は、「タイ誇り党」が最大で100議席程度、団結国家建設党は50議席以下にとどまり、合計しても過半数確保は厳しい状況。しかし、上院票を加えて首相を選出できれば、下院で少数与党でも、重要法案や不信任案の採決時に野党から造反議員を獲得するなどして政権運営を図る可能性がある。

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