ワクチン接種偽装、医師有罪 委託料詐取「権限を悪用」―東京地裁
2023年05月12日14時29分
新型コロナウイルスワクチンを接種したように装い自治体から接種委託料をだまし取ったとして、詐欺罪に問われたクリニック院長、船木威徳被告(51)の判決が12日、東京地裁であった。野村賢裁判長は懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年)を言い渡した。
野村裁判長は、船木被告が主催するセミナーで、ワクチンを接種しなくても接種済み証を発行する趣旨の資料を配布していたと指摘。「ワクチン接種業務の委託を受けた医師の権限を悪用した」と非難した。一方で、被害金額を全額弁償していることなどから、執行猶予付きの判決が相当と判断した。
判決などによると、船木被告は2021年8~12月、ワクチンを接種したとの虚偽の予診票などを作成し、札幌市や埼玉県川口市、愛知県稲沢市、大阪市、広島県東広島市の5市から15人分の委託料計約6万8000円を詐取した。