キング牧師の批判は「捏造」 マルコムXとの対立誇張か―米報道
2023年05月11日07時29分
【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は10日、公民権運動を率いたマーティン・ルーサー・キング牧師がインタビューで黒人運動指導者マルコムXを批判したとされる発言は、ジャーナリストの捏造(ねつぞう)だった可能性があると報じた。キング牧師の伝記を新たに執筆した作家が、発掘した資料に基づき見解を明らかにした。
1950年代から60年代にかけて、黒人の地位向上という同じ目標を掲げながら、白人との融和を訴えたキング牧師と黒人中心の社会を目指したマルコムXは対照的な指導者として知られ、マルコムXはキング牧師の運動方針に批判的だった。専門家は、ジャーナリストが自らの知名度を上げるため、2人の黒人指導者の対立を意図的に誇張した可能性があるとの見方を示している。