ガラパゴス諸島保護に600億円 エクアドル、債務軽減と引き換え
2023年05月10日13時37分
【サンパウロ時事】南米エクアドル政府は9日、同国が抱える対外債務の一部を債権者から免除してもらう代わりに、浮いた返済資金の多くを世界遺産として知られる自国領のガラパゴス諸島の自然保護に使う取引が成立したと発表した。保護に使える資金として今後20年間で4億5000万ドル(約608億円)以上が確保される見通しで、ロイター通信などによると、この種の取引としては過去最大。
発表によると、エクアドル政府は16億ドルの債務に関して、返済負担が11億ドル軽減される。これと引き換えに、面積が19万8000平方キロに及ぶガラパゴス諸島周辺の海洋保護区の保護に取り組むことを約束した。
ガラパゴス諸島は英生物学者チャールズ・ダーウィンが「進化論」の着想を得たことで知られる。エクアドル政府は声明で、絶滅が危惧されるジンベエザメやウミガメなど2500種類近くの海洋生物を保護すると指摘。「海洋の健全性を監視し、持続可能な漁業を促進するとともに、気候変動への強靱(きょうじん)性を強化する」と強調した。