得意の寝技に持ち込めず 舟久保、またも決勝で苦杯―世界柔道
2023年05月10日07時15分
2年連続の2位。初優勝にはまたも届かず、舟久保は「世界一になる覚悟がなかったのかなと思う」と気丈に話した。その意味を問われると「自分自身とまだ向き合えていない。技術面でも精神面でもやるべきことがたくさんあって」。急に声を震わせた。
決勝の相手は、日本で生まれ育ったカナダ代表の出口。試合開始直後から攻め込まれた。最初の大外刈りは何とかしのいだが、すぐに大内刈りで技あり、立て直す間もなく体落としで一本を奪われた。「何もできずに終わってしまった」。組み手で先に相手の形になられ、なすすべがなかった。
寝技の実力には定評があるものの、「自分の強みを全く出せなかった」とうなだれる。女子の増地監督は「器用な選手ではない」としながら、組み手や技を出すタイミングなど、「寝技に持ち込むバリエーションを増やすこと」と明確な課題を挙げた。
まだまだ伸びしろがある24歳。今回の悔しさを糧にすれば、パリ五輪で群雄割拠の女子57キロ級を制する可能性は十分に秘めている。(ドーハ時事)