スリランカ債権国が初会合 中国はオブザーバー参加―債務再編で新枠組み
2023年05月09日23時32分
事実上のデフォルト(債務不履行)状態に陥ったスリランカの債務再編を巡り、日本やインドなどの債権国が9日、オンライン形式で初会合を開いた。影響力を強める新興国を巻き込んだ新たな多国間の枠組みで、日本が共同議長を務め債務減免や返済期限の延長などを今後協議する。最大の債権国である中国は初会合にオブザーバーとして参加したが、正式な出席は見送った。中国がどの程度関与していくかが焦点となる。
スリランカ債権国会合は、日本主導で今年4月に発足。初会合には、共同議長国の日本やインド、フランスなど、スリランカの債権国19カ国を含む26カ国が出席した。多国間協議の前提となる融資規模や条件などの開示に後ろ向きな中国に対しては、引き続き正式な参加を求めていく。
会合後に記者団の取材に応じた財務省の神田真人財務官は「(枠組みに対し)中国のコンセンサスは得られている」と説明。その上で、「(債務再編は)喫緊の課題なので、なるべく早期の合意を目指して交渉を進めたい」と述べた。