ロシア、孤立回避へCIS招待 対独戦勝記念日、ウクライナは変更
2023年05月09日13時38分
旧ソ連の対ドイツ戦勝記念日(9日)に、モスクワ「赤の広場」の祝賀行事に参加するため、独立国家共同体(CIS)の各国首脳が8日、相次いで訪ロした。ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻で西側諸国から制裁を科される中、孤立が内外に露呈するのを回避するため、急きょ招待したとみられる。
プーチン氏「風船爆弾」恐れる? 厳しい取材制限―ロシア戦勝記念日
今年、首脳の出席を予定した外国は当初、中央アジアのキルギスだけだった。2021年もタジキスタンにとどまった。侵攻開始から間もない昨年はゼロになった。
タス通信によると、今年はアルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジク、トルクメニスタン、ウズベキスタンの参加が決まった。
プーチン氏は来年の大統領選を見据えている。自身の威信に傷が付くのを今年は恐れた可能性がある。
一方、旧ソ連圏でもウクライナは南部クリミア半島をロシアに併合された翌年の15年、欧米の戦勝記念日(8日)を祝うようになった。ゼレンスキー大統領は8日、ロシアの戦勝記念日のイメージが強い9日について、欧州連合(EU)が定める創設記念日「ヨーロッパ・デー(欧州の日)」とする大統領令に署名した。
ゼレンスキー氏は8日、声明を出し「ウクライナは80年前と同様、完全なる悪と戦うとともに、未来のために戦っている」と強調。ロシアに対する戦勝を誓った。