「また来るかも」眠れぬ夜 片付け追われる住民ら―震度6強から一夜・石川県珠洲市
2023年05月06日13時01分
最大震度6強の地震から一夜明けた6日、石川県珠洲市では住民らが散乱した屋根瓦やガラス片などの片付けに追われた。5日夜には震度5強の揺れが起きるなど余震が続き、住民は「また地震が来るかもと思うと眠れない」と不安な心境を明かした。
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被害が大きかった同市正院町。村元ミノエさん(89)は「ガラスが割れてしまい、きのうはガラスの始末で終わってしまった。水道が止まり、トイレにも行けない」とうんざりした様子。息子3人の帰省中、大きな揺れに見舞われたという男性の家ではたんすが倒れ、食器や天井からつり下げていた電球が落下したという。「けががなかったことだけが良かった。早く収まってほしい」と祈るように話した。
同町の在長和広さん(70)は「瓦がずれたところから雨が入ってきそうで夜が不安だ。自分でブルーシートを掛けないといけないかもしれない」と心配そうに語った。
珠洲市の一部地域では断水したり水が茶色に濁ったりしたため、市が朝から防災無線で給水活動の実施を呼び掛け、住民らはポリタンクやペットボトルを手に続々と給水所を訪れた。自宅の壁に亀裂が入り、屋根瓦が落ちたという同市若山町の60代男性は「5日夜から水に色が付いていた。水がないと困るので(給水は)助かる」とほっとした表情を見せた。
「飲み水や、米をとぐ水に困っている」と話すのは1人暮らしの女性(78)。食器棚から茶わんなど10枚以上が落下し、破片が床に散乱する中で一夜を過ごしたといい、「これから片付ける。50年暮らしていて、今までこんなことなかった」とため息をついた。