ダイハツ、海外向け車両で不正 トヨタブランド含む8.8万台―豊田氏「信頼裏切る行為」
2023年04月28日20時09分
ダイハツ工業は28日、トヨタ自動車ブランドを含む海外市場向け4車種について、衝突試験の認証申請で不正行為があったと発表した。対象車両は、タイで生産するトヨタブランドの「ヤリス・エイティブ」など合計8万8123台で、同国やメキシコなど11カ国で出荷を停止した。ダイハツは独立した第三者委員会を設置し、原因を究明する。
トヨタの豊田章男会長は自社メディアで、グループ会社ダイハツでの不正に「顧客の信頼を裏切る絶対にあってはならない行為」と述べた。
東京都内で記者会見したダイハツの奥平総一郎社長は「多大なるご迷惑をおかけし誠に申し訳ない」と陳謝。経営責任については「法律を順守できていなかったことを重く受け止める。まずは全容と真因の調査に当たりたい」と述べるにとどめた。
不正はダイハツの内部通報で発覚。滋賀県竜王町のテクニカルセンターで側面衝突試験を実施する際、事前に届け出た仕様と異なる加工を行っていた。奥平社長は「壊れた部分がとがることがないようにし、一回で試験に合格させようとした」と説明。一方、再試験を行って「法規で定められた基準を満たしていることは確認している」とも述べ、「(販売地の)当局の指導を受けながら出荷を再開できるよう努める」と話した。加工は、試験車両のみだったといい、市中で使用中の車への対応も必要ないという。