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「飲まず食わず」で疲労濃く スーダン脱出の外国人―サウジ

2023年04月26日20時29分

スーダンからサウジアラビア西部ジッダに到着した少女(AFP時事)

スーダンからサウジアラビア西部ジッダに到着した少女(AFP時事)

  • スーダンからサウジアラビア西部ジッダに到着した人々(サウジ当局が24日提供)(AFP時事)
  • スーダンからサウジアラビア西部ジッダに到着した車いすの高齢者(サウジ当局が24日提供)(AFP時事)

 【ジッダ(サウジアラビア)AFP時事】正規軍と準軍事組織の戦闘が続くスーダンからの在留外国人退避が相次ぎ報じられる中、紅海を越えサウジアラビアに逃れた避難者も多い。車いすに乗った高齢女性や、親に抱かれ眠る赤ちゃん―。皆一様に疲れた様子ながら、久しぶりに命が危険にさらされない幸せをかみしめていた。

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 サウジの港湾都市ジッダには24日夜、海軍の艦艇で14カ国の約200人が到着した。スーダンで10年以上プラスチック工場を経営していたレバノン人のスハイブ・アイシャさんも、その一人だ。スーダンの首都ハルツームから10時間以上かけて、紅海沿いの北東部ポートスーダンへ移動。「そこからジッダまで、船で20時間かかった」と振り返る父の肩の上では、幼い娘が泣いていた。
 名前を明かすのを拒んだレバノン人女性は「つらい瞬間がたくさんあった。そのすべてに恐怖や緊張、心配が付きまとっていた」と言葉少な。「寝ていないし、飲まず食わずだった。大変な日々だった」と振り絞るように語った。
 それでも避難者らは、生きて戦地から逃れたことへの感謝も口にしていた。サウジのテレビ局は、ジッダに到着して笑顔で手を振ったり、スマートフォンで周囲を撮影したりする人々の姿を放映した。
 サウジは先週、文民のスーダン退避作戦の第1弾に成功したと発表。国営サウジ通信によれば、これまでにサウジ人101人、外国人255人を自国へ避難させ、存在感を示している。
 こうしたサウジの動きについて、英バーミンガム大のサウジ専門家ウマル・カリム氏は「地域の危機に際し、中心的役割を果たそうとするサウジの意欲を如実に示している」と分析。別の専門家も、AFP通信に「スーダンの停戦に向けた外交で、サウジは不可欠なプレーヤーだ」と影響力の強さを指摘した。

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