「有罪立証断念」検察に申し入れ 再審公判向け、袴田さん弁護団
2023年04月20日17時22分
1966年に静岡県でみそ会社専務一家4人が殺害され、強盗殺人などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審公判を巡り、袴田さんの弁護団が20日、最高検と東京高検に対し、有罪立証の見送りを表明するよう求めた上で公判に向け速やかな進行に協力するよう申し入れた。
袴田さん再審、期日持ち越し 検察「3カ月後に立証方針」―3者協議、静岡地裁
静岡地裁で10日に開かれた3者協議で検察側は立証方針の決定までに「3カ月の猶予」を求めたが、弁護団は申し入れ書で「袴田さんの状況を考慮しない暴挙だ」と批判。第1次と2次の40年以上に及ぶ再審請求審で検察側の主張や立証は尽くされているとし、拘禁反応による心身の状況や年齢を挙げ「一日も無駄にできない」と訴えた。
申し入れ後に記者会見した弁護団の村崎修弁護士は「再審開始決定を踏まえるかどうかが問題で、検察の態度はゼロから(審理を)スタートすると言うに等しい」と指摘。笹森学弁護士は「袴田さんは極めて高齢なので有罪立証するなと伝えた」と話した。