ロシア大統領、ヘルソン州司令部を訪問 ウクライナの奪還警戒
2023年04月18日17時55分
ロシア大統領府は18日、プーチン大統領がウクライナ南部ヘルソン州と東部ルガンスク州の作戦司令部を訪問したと発表した。昨年2月の侵攻開始後、初めて両州に足を踏み入れたことになる。
プーチン氏はヘルソン州でテプリンスキー大将、ルガンスク州でラピン大将から戦況報告を受けた。いずれも更迭報道があった司令官で、復権が明らかになった。ロシア国防省は、不協和音が伝えられる民間軍事会社「ワグネル」などの影響力を排しつつ、軍の立て直しを急いでいるもようだ。
ヘルソン州は昨年3月にロシア軍が制圧し、プーチン政権は9月に他の東・南部と共にロシアへの一方的な「併合」を宣言。ただ、州都として唯一占領していたドニエプル川西岸のヘルソン市から11月に撤退した経緯があり、ウクライナ軍の奪還作戦を警戒している。
侵攻が長期化して苦戦するロシア軍にとって、現在の占領地の維持は「最低ライン」の目標。このほど流出した米機密文書によると、ウクライナ軍は今月末に南部で大規模攻勢に出る可能性がある。これを許せば、5月9日の対ドイツ戦勝記念日前の「大失態」となるため、今回の大統領訪問で現場の士気を高めたい考えとみられる。