中小の再生支援加速 「ゼロゼロ融資」返済本格化で―政府
2023年04月17日20時32分
新型コロナウイルスの感染拡大や物価高騰などで苦しむ中小企業の事業再生に向け、政府は支援を加速させる。コロナ禍で導入した実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が夏以降に本格化することを踏まえ、金融庁と中小企業庁などは17日、支援策の説明会を開催。ポストコロナを見据え、これまでの資金繰り支援から再生支援に軸足を移す。
説明会は、金融機関や経済団体などを対象に実施。金融庁の伊藤豊監督局長は「今後、経済の正常化に向けた動きが進む中、特に債務が増大した事業者に対する事業再生、再チャレンジを支援する必要性が高まってくる」と述べ、金融機関に協力を呼び掛けた。
中小企業庁によると、2020年3月に始まったゼロゼロ融資の融資実績は約43兆円。このうち地方銀行など民間金融機関による融資は、今年7月以降に返済がヤマ場を迎える。このため同庁は1月、ゼロゼロ融資の円滑な借り換えや新規投資を後押しする新たな保証制度を開始した。売り上げの減少と経営改善策の作成などを条件としている。
政府はまた、借金ながら自己資本と見なすことができる日本政策金融公庫の「資本性劣後ローン」への借り換えも促す方針だ。資本を厚くすることで、民間金融機関から新たに融資を受けられるようにする。