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アフリカの窮状深刻化 IMF「資金繰り難に直面」

2023年04月15日21時48分

14日、米ワシントンで記者会見するセラシIMFアフリカ局長(AFP時事)

14日、米ワシントンで記者会見するセラシIMFアフリカ局長(AFP時事)

 【ワシントン時事】20カ国・地域(G20)や国際通貨基金(IMF)、世界銀行が途上国の過剰債務問題に手間取る中、アフリカ諸国の窮状が深まっている。米欧の利上げで、脆弱(ぜいじゃく)な国ほど借り入れコストが増大。サブサハラ(サハラ砂漠以南のアフリカ)地域では「2022年春以降、どの国も国際市場でドル建て国債を発行できない」(IMF)状況に陥っている。

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 「サブサハラ諸国は大きな資金繰り難に直面している」。セラシIMFアフリカ局長は14日の記者会見で、危機感をあらわにした。
 アフリカ最大の経済規模を誇るナイジェリアでさえ、ドル建て国債の10年物利回りは12%を超える。セネガルのサル経済相は同日、米シンクタンクの会合で「資金をどこかから得たいが、市場では難しい」と言明。世銀などに優遇条件での融資を増やすよう求めた。
 IMFによると、サブサハラの低所得35カ国のうち、19カ国が過剰債務を抱えるか、そのリスクに直面する。セラシ氏は「債務が明らかに持続不可能となれば、債務再編は不可避だ」と話した。
 しかし、G20が導入した債務再編を促進する「共通枠組み」の下でも、協議は遅々として進まない。この枠組みで再編を目指すエチオピアのアハメド財務相は11日の世銀会合で、「プロセスに2年以上かかっている。その間、経済の不均衡は拡大した」と訴えた。
 ゲオルギエワIMF専務理事は13日の記者会見で、債務国と債権者を集めて前日開いた「円卓会議」で「明白な進展があった」と成果を強調。しかし、「協議スケジュールに関する問題では合意はなかった」と明かし、前途の多難さをうかがわせた。

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