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「グローバルサウス」に活路 ブラジル大統領、訪中終了

2023年04月16日12時31分

中国の習近平国家主席(左)と歓迎式典に臨むブラジルのルラ大統領=14日、北京(ブラジル大統領府提供・AFP時事)

中国の習近平国家主席(左)と歓迎式典に臨むブラジルのルラ大統領=14日、北京(ブラジル大統領府提供・AFP時事)

 【サンパウロ時事】ブラジルのルラ大統領は15日に終了した中国訪問で、最大の貿易相手国となった同国との関係強化に成功した。米中の対立のはざまで「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国の旗振り役として外交上の活路を見いだし、前政権下で低下した国際社会での存在感を取り戻す姿勢も浮き彫りとなった。

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 「グローバルサウスにとって偉大な銀行となるためのすべての条件を満たしている」。ルラ氏は13日、ブラジルや中国など新興5カ国(BRICS)が創設した新開発銀行の本部で行ったスピーチで、同銀に期待を示した。この中で、緊縮財政を強いる国際通貨基金(IMF)を批判。世界貿易で米ドルに依存する現状に疑問を呈し、同銀が「解決策」になり得ると訴えた。
 ブラジルはボルソナロ政権で中国との関係が悪化。アマゾン熱帯雨林の開発推進により国際社会からも反発を買い、孤立した。
 14日の習近平国家主席との首脳会談では、ハイテクやインフラなどの分野で2国間の協力に合意。米欧が距離を置く中国との関係強化を通じて、国益を追求するしたたかさを見せた。一方、気候変動分野では、先進国が途上国に年1000億ドル(約13兆3000億円)の資金を支援する目標に「達していない」と途上国側の不満を代弁する共同声明も発表した。
 国際社会では国家指導者としてルラ氏の手腕への期待は高い。米誌タイムは13日に発表した「世界で最も影響力のある100人」に同氏を選出。アマゾン保護を表明しているとして「気候行動にとって決定的となるこの10年に、ルラ氏の指導力が重要になる」と説明した。
 グローバルサウスとの連携を重視する日本も、岸田文雄首相が5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)にルラ氏を招待している。

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