麻薬王が残したカバ繁殖 地元当局、対応に本腰―コロンビア
2023年04月14日13時31分
【サンパウロ時事】南米コロンビアの麻薬組織の首領として知られた故パブロ・エスコバルが同国に連れてきたカバが野生で繁殖し、「厄介者」となっている。車がカバと衝突する事故も起きており、当局は本格的な対応に乗り出した。
衝突事故は今月11日夜、首都ボゴタと第2の都市メデジンを結ぶ幹線道路で発生。車の運転手はその場で手当てを受け無事だったが、カバは死んだ。
報道によると、現場はエスコバルが保有していた土地に近い。エスコバルは1980年代に数頭のカバを輸入。エスコバルは93年に死亡したが、カバは天敵がいない環境に順応し、今では140頭程度まで増加した。
地元政府は最近、約350万ドル(約4億6000万円)を使って、70頭のカバをメキシコやインドの保護区に運ぶ計画を発表した。環境・開発関連の公的機関は「この地域のカバの存在は環境面でも社会的にも問題が多い」と訴え、計画の早期実施を求めている。