ぴあ、９％賃上げ　士気向上へ初任給は１２％

　チケット販売大手ぴあが、基本給を底上げするベースアップ（ベア）と固定残業代の増額により、今月から平均９％の賃上げを行うことが１３日分かった。一般・総合職で約３万円、課長級以上の管理職は５万円引き上げる。音楽ライブなどの需要が回復する中、社員の士気を高めて反転攻勢を目指す。

賃上げ率３．７％　２３年春闘、３０年ぶり高水準―大手から中小へ波及・連合集計

　対象となる正社員は約３２０人。新入社員の初任給は約１２％上げ、２３万４０００円とする。
　従業員が余暇に演劇やコンサートなどに行く機会を増やすため、鑑賞費用を一部補助する「エン（エンターテインメント）活」制度も導入。夏をめどに具体的な内容をまとめる。
　契約社員約３００人についても、評価に応じた給与引き上げや正社員への登用を行う方針。
　ぴあは新型コロナウイルス感染拡大に伴うイベント開催制限の影響で、２０２１年３月期の純損益が過去最大となる６６億円の赤字に転落、賞与支給を見送った。２３年３月期は３年ぶりの黒字転換を見込んでおり、「社員と共に業績アップを目指し、賃上げの原資を生み出す」（担当者）としている。