別人成り済ました少女起訴 府警、地検が詐称見抜けず―大阪
2023年04月12日21時57分
大阪地検は12日、窃盗事件で逮捕された10代の少女について、別の成人女性に成り済ましていたのを見抜けないまま起訴していたと発表した。地検は公訴棄却を申し立て、大阪地裁が同日、裁判を打ち切る判決を言い渡した。地検は少女を家裁送致した。
判決などによると、少女は外国籍の17歳で、2月に大阪市内のバーで客の財布を盗んだとして逮捕、起訴された。この際、20代女性の氏名をかたり、合致する身分証も所持していた。女性の身分証は盗難届が出されていた。
大阪府警によると、捜査員は少女の説明をうのみにして、家族への確認などを怠っていたという。
地検が4月上旬、少女の弁護人から指摘を受けて調べた結果、誤起訴が判明。今月10日に公訴棄却を申し立てていた。
府警幹部は「身分証をうのみにしてしまった。緻密な周辺捜査をすべきだった」と釈明。地検幹部は「極めて特異な事件」とした上で、「今後はより一層人定確認を徹底したい」と話した。