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インフレ・金融不安に対峙 G20財務相会議、識者に聞く(2)

2023年04月12日07時05分

インタビューに答える篠原尚之元財務官=7日、東京都港区

インタビューに答える篠原尚之元財務官=7日、東京都港区

 ◇途上国債務問題、進展に期待=元財務官の篠原尚之氏
 ―G20財務相会議の注目点は。
 途上国とりわけ低所得国の問題でどういった支援をするのか、グローバルで重要なメッセージを発する時期にある。(2月の同会議で解決への期待が示された)スリランカの債務問題が一つの契機になって、もっと(議論が)進むことを期待している。
 ―この1年余り、共同声明を出せていない。
 ウクライナ問題以降、世の中の分断的状況に改善の兆しが見られない。(ウクライナに侵攻している)ロシアや中途半端なポジションの中国がいる以上、G20で意味のあるメッセージを出すのは大変だ。今回も同じだろう。
 ―リーマン・ショック当時の財務官として、金融不安をどう見ているか。
 リーマン・ショックの経験によって積み上げてきた金融規制や監督の仕組みがあったが、(米中堅銀行の破綻は)その仕組みに漏れがあったと言われている。現在、検証が進んでおり、見直すには良いきっかけにはなると思う。本来はG20で金融規制議論が出てくるといいが、現状ではG7(先進7カ国)での方が適切かもしれない。そこは(リーマン・ショックへの対応策をG20で議論できた)当時と環境が違う。
 ―G20の意義が薄れているのではないか。
 G20のような国際的な枠組みは辛抱強く続けていく必要がある。いま成果が出ないからといって「やめてしまえ」ではない。G20というフレーム(枠組み)があれば、普段からコンタクトを取る相手がいるし、最低限、相手が何を考えているかは分かる。

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