出生時男性も女子競技参加可 最高裁が暫定命令―米
2023年04月07日20時44分
【ワシントン時事】米連邦最高裁は6日、男性として生まれたが女性を自認するトランスジェンダーの選手が、女子チームで競技を続けることを暫定的に認める判断を下した。米国では近年、トランスジェンダーの女子スポーツ参加を巡って保守派とリベラル派の対立が深まっており、議論を呼びそうだ。
オープンカテゴリー、9月から導入 トランスジェンダー選手対象―英国の水泳団体
南部ウェストバージニア州の中学校で陸上部に所属し、性自認が女性であるトランスジェンダーの生徒(12)が、女子チームへの参加を禁じる州法に異議を申し立てた。一審は州法を支持したが、控訴審は州法の一時差し止めを命令。最高裁は差し止め無効化を求める州側の訴えを退けた。
トランスジェンダー選手の女子チーム参加について、リベラル派は性自認を重視する観点から支持する一方、保守派は体力差を理由に「不公平だ」と反対。保守的な一部の州が法律で参加を禁止するなど、政治問題化している。
ウェストバージニア州法は出生時の性に基づいて男女を定義。中学から大学までの競技に関し、出生時に男性のトランスジェンダーの選手は女子チームでプレーできないと定めている。
これに関連し、バイデン政権は6日、トランスジェンダーの競技資格に関する規則改正案を発表。「性自認に沿ったスポーツチームへの参加を一律に禁止することは違法」とした。ただ、高校や大学などの生徒・学生に限り、トランスジェンダーの参加制限を認める例外規定も設けている。