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マリン政権続投成るか 総選挙投票実施―与野党三つどもえ・フィンランド

2023年04月02日20時32分

1日、ヘルシンキで有権者に支持を訴えるフィンランドのマリン首相(AFP時事)

1日、ヘルシンキで有権者に支持を訴えるフィンランドのマリン首相(AFP時事)

  • 1日、ヘルシンキで有権者に「最後の訴え」を行う各党関係者
  • 1日、ヘルシンキで与党・社会民主党への支持を呼び掛けるフィンランドのハータイネン雇用相(右)
  • 1日、ヘルシンキでチラシを配りながら有権者と交流するフィン人党のトム・パッカレン氏(右)

 【ヘルシンキ時事】で2日、議会(一院制、定数200)選挙の投票が行われた。マリン首相率いる中道左派の与党・社会民主党(SDP)と保守の野党・国民連合、右派の野党フィン人党の三つどもえの争いのまま投票日を迎えた。ロシアのウクライナ侵攻を受け、を北大西洋条約機構(NATO)加盟に導いた首相が続投できるかは微妙な情勢だ。

〔写真特集〕フィンランド マリン首相

 2日午後8時(日本時間3日午前2時)の投票締め切り後に開票され、早ければ2日中に大勢が判明する見通し。選挙戦は、経済・財政政策や公共サービス改革が主な争点となった。通常は最大政党が軸となり小党と連立を組むため、政権発足は連立協議を経た後となる。
 マリン首相は2019年末にフィンランド史上最年少の34歳で就任した。直後に新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われたが、冷静な危機対応で評価を得た。22年のウクライナ侵攻後、ロシアを警戒する機運の高まりを踏まえNATO加盟申請へ外交・安保政策の大転換を主導した。選挙直前の3月末に加盟決定の知らせがもたらされた。
 マリン氏は国内外で高い知名度を誇るが、首相個人の人気は与党への追い風に必ずしも反映されていない。最新の世論調査では、支持率トップは国民連合で、SDPはフィン人党に後れを取り3番手となった。
 選挙戦最終日の1日、首都中心部では各党の候補者らが「最後の訴え」を行った。ハータイネン雇用相(SDP)は「今回の選挙は左右の(選択の)違いが明白。結果を見守るしかない」と指摘。欧州連合(EU)懐疑派のポピュリスト政党と見なされているフィン人党のトム・パッカレン候補は「勝利を確信している。(既存政治からの脱却を訴える)われわれのメッセージは強い」と強調した。
 地元紙ヘルシンギン・サノマットの政治記者ロバート・スンドマン氏は時事通信の取材に「マリン氏の人気は高いが、選挙では大抵、野党が有利となる。ポピュリスト政党も世論調査より実際の選挙で良い結果を出すことが多い」と3党間の接戦を予想。また、どの党が勝っても連立相手の調整は難航し「協議は非常に長引く」と分析した。

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