豪快さ生む柔軟思考　中田翔、際立つ頼もしさ―プロ野球・巨人

　新しい自分を、開幕カードで示した。巨人の中田翔が、前日に続きチームの全打点を稼ぎ出した。「きのうは悔しい負け方をした。きょうは絶対に落とせないという気持ちだった」
　状況に応じた打撃を貫いた。一回１死満塁で直球を捉え、二遊間を破る先制打。六回１死後にも真っすぐを振り抜き、左中間席へ２戦連発のソロを運んだ。「久々に気持ち良かった。涌井さんのボールは球速以上の速さを感じるから、振り出しを早くした」。緻密な読みで、豪快に仕留めた。
　柔らかな思考が「剛」を生んでいる。昨季途中から、追い込まれると軽打でつなぐ場面が増えた。打率の向上も求め、今季は「相手の嫌がる打撃」がテーマ。時には粘り、時には狙い、効果的に長短打を見舞う。「今までの自分になかった考え方。変えられるものは変えたい」という発想を打席で形にしている。
　開幕戦と合わせて計５打点にも「始まって、たかが２試合。とにかく試合に勝つだけ」。３年ぶり覇権奪回を狙うチームで、頼もしさが際立つ。