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原点回帰、楽しんで頂点 山梨学院の吉田監督、清峰に続き優勝導く―高校野球

2023年04月01日17時41分

優勝の喜びを語る山梨学院の吉田監督=1日、甲子園

優勝の喜びを語る山梨学院の吉田監督=1日、甲子園

  • 優勝旗を掲げて場内一周する山梨学院の選手たち=1日、甲子園

 自身にとって、清峰(長崎)を率いた2009年春以来の頂点。山梨学院の吉田洸二監督(53)は「実感がない。それくらい(県勢で決勝初進出を決めた)きのうが大きかった」。前日は涙を流し、この日は笑った。
 長崎県佐世保市出身。山梨学院大が母校という縁で就任した13年以降、今大会が春夏合わせ9度目(中止となった20年春を除く)の甲子園。常連校だったが、これまでは1勝が最高だった。
 「ホームルームの延長」と楽しめた県立の清峰時代と違い、施設が充実し、県外から有望選手が入学する私立校の監督を任され、自然と重圧でがんじがらめになっていた。「選手のための甲子園なのに、自分が勝ちたい思いでやっていた。(雰囲気が)重い野球をさせていた」。この春は、「一番の応援団でいよう」と笑顔を心掛けた。
 2回戦で氷見(富山)、3回戦で光(山口)と県立校と対戦したことも心を揺さぶられた。「(相手の)ひたむきな姿を見てこれだと思った。忘れかけていた感情が戻った」
 聖地で本来の姿が戻れば強い。15年からコーチに就き、現在は部長の長男健人さんは「選手を乗せることができる」と言う。本塁打狙いで大振りになっていた4番の高橋にはつなぐ姿勢の大事さを説き、復調に導いた。
 監督通算21勝。異なる2校を甲子園優勝に導いたのは、2014年に亡くなった上甲正典さん(宇和島東、済美)に続いて史上4人目。その上甲さんからは「甲子園で20勝してから一人前」と言われた。指導者の大先輩と同じ偉業を達成し、「努力でつかめない。類いまれな運と、人との縁」と幸せをかみしめた。

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