【こぼれ話】トルクメニスタン、前大統領にちなんだ新都市建設　投資額６６００億円

【アシガバート／トルクメニスタンＡＦＰ＝時事】中央アジア・トルクメニスタンは２９日、今も実権を握るグルバングルイ・ベルドイムハメドフ前大統領（６５）にちなんだ名を冠した新都市建設に、５０億ドル（約６６００億円）近くを投じると発表した。（写真はトルクメニスタンのグルバングルイ・ベルドイムハメド大統領、肩書は当時）
　カスピ海に面した旧ソ連構成国トルクメニスタンでは、１６年以上にわたりベルドイムハメドフ家による支配が続いている。
　ベルドイムハメドフ氏は昨年退任し、長男のセルダル氏（４１）が後を継いだ。しかし、実権は「アルカダグ（庇護＜ひご＞者）」の敬称で呼ばれ個人崇拝の対象となっている父ベルドイムハメドフ氏が保持している。
　首都アシガバートから約３０キロに位置する新都市は、ベルドイムハメドフ氏にちなみアルカダグと名付けられた。
　ベルドイムハメドフ氏は新都市について、何らかの形で「ギネス世界記録」に載るようにと命じた。
　新都市建設委員会のデルヤゲルディ・オラゾフ委員長によると、アルカダグの建設費用は第１期で３３億ドル（約４４００億円）、第２期で約１５億ドル（約２０００億円）を見込んでいる。正確な額は入札後に判明するとしている。
　建設費総額は、２０２０年２月に発表された１５億ドルをすでに大幅に上回っている。
　世界銀行によると、トルクメニスタンの国内総生産（ＧＤＰ）は約４５０億ドル（約５兆９５００億円）となっている。同国は天然ガス資源が豊富で、収益の大半を天然ガスから得ている。
　人権団体は、天然ガスで得た利益を国民にはメリットがないぜいたくなプロジェクトに浪費しているとして、政府を批判している。
　地震帯に位置するアルカダグの人口は約７万３０００人と推定される。【翻訳編集ＡＦＰＢＢＮｅｗｓ】
〔ＡＦＰ＝時事〕