半導体「包囲網」に危機感 日本の輸出規制で―中国
2023年03月31日19時39分
【北京時事】日本政府が高性能な半導体製造装置の輸出規制方針を打ち出した。米国やオランダと連携した実質的な対中規制とみられている。米中対立が長期化する中、習近平指導部は科学技術の振興を政権の重要課題に掲げており、日本の方針に対し、「包囲網の強化だ」と危機感を強めている。
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「経済や貿易、技術の問題を政治利用することは、世界の生産とサプライチェーン(供給網)を不安定にし、自分の首を絞めるだけだ」。中国外務省の毛寧副報道局長は31日の記者会見で、日本の対応をこう批判した。
中国の半導体関連技術は、政府の後押しもあり急速に向上しているものの、日米などとはなお隔たりがある。日本の技術は、喉から手が出るほど欲しいのが実情で、輸出規制の対象が一定の範囲にとどまることを日本側に期待している可能性もある。
このため、記者会見での中国側の反応は総じて「抑制的」(業界関係者)だった。今後は対抗措置などもちらつかせながら、日本側に見直しを働き掛けるものとみられる。