「統合運用の抜本強化実現」　着任会見で吉田新統幕長

　自衛隊制服組トップの統合幕僚長に就いた吉田圭秀陸将が３１日、着任会見に臨み、「陸海空各自衛隊の統合運用体制の抜本的強化を実現することを目標とし、わが国の平和と安全に寄与したい」と抱負を述べた。

統合幕僚長に吉田氏　防大出身以外から初起用―防衛省

　吉田統幕長は「世界は法に基づく国際秩序が維持できるかの分水嶺（れい）にある。ロシアによるウクライナ侵攻のような深刻な事態が、わが国の周辺でも起きる可能性が排除できない」と強い危機感を示した。
　その上で、昨年１２月に改定した安全保障関連３文書で掲げた目標の実現に向け、各自衛隊やサイバーなどの領域を連携させる運用構想の具現化や、その指揮を執る常設の統合司令部の創設などに取り組むとした。
　新たに就任した森下泰臣陸上幕僚長と内倉浩昭航空幕僚長も会見した。森下陸幕長は「精強な陸自の創造に全力を傾ける」、内倉空幕長は「航空宇宙自衛隊という目標を見据え、慣習にとらわれずチャレンジしていきたい」と意気込みを語った。