復興拠点の避難指示解除 浪江町3地区、居住可能に―依然8割は帰還困難・福島
2023年03月31日11時29分
東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域のうち、福島県浪江町の「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)の避難指示が31日解除され、12年ぶりに住民の居住が可能となった。ただ、町面積の約8割は依然として帰還困難なままで、復興に向けた課題は残る。
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避難指示が解除されたのは、西部の津島、中央部の室原、末森の3地区。広さは町全体の約3%に当たる計約6.61平方キロ。
室原地区で行われた式典では、解除時間の午前10時に防災無線が流され、吉田栄光町長らが警察などによるパトロールの出動を見送った。吉田町長は式典後、「帰還の思いを遂げられないまま亡くなった方々を思うと複雑な気持ちもある。本日をスタートとし、復興を今まで以上に進めていく」と述べた。
同町は2011年3月の原発事故で全域に避難指示が出され、町民約2万2000人が避難。17年3月に町役場やJR常磐線浪江駅を含む一部地域で避難指示が解除され、今年2月末時点で約2000人が住んでいる。