維新、ダブルで過半数狙う 自民、公明と激戦へ―大阪府・市議選
2023年03月31日14時28分
統一地方選前半戦(4月9日投開票)では、地域政党「大阪維新の会」が、大阪府議選(定数79)と大阪市議選(同81)で単独過半数の議席を獲得できるかどうかが焦点となる。実現すれば、他会派の協力なしで維新主導の議案を可決できるようになる。自民党や公明党などは、維新による府・市議会双方での過半数獲得の阻止を目指しており、激戦が繰り広げられそうだ。
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維新は現在、府知事と大阪市長の両首長ポストに加え、府議会でも過半数の46議席を握っている。しかし、市議会ではわずかに過半数を割っているため、維新に対して「是々非々の立場」を強調する公明の協力を得てカジノを含む統合型リゾート(IR)の整備計画などの重要議案を可決してきた。
維新代表の吉村洋文知事は両首長選の勝利と府議選での過半数維持を前提に「市議選で過半数議席を獲得できなければ代表を辞任する」と明言。市議選には50人を擁立した。前回より定数が9減となる府議選では、現有議席の上積みにより、府政運営をさらに盤石にすることを狙う。
これに対し、自民や公明などは市議選を中心に維新の党勢拡大を食い止めようと懸命だ。ある自民市議は「維新が首長を握り、議会でも過半数を確保すると、議会のチェック機能が働かなくなる」と語る。
一方、府議選では共産党の現職がいる2選挙区とも定数が減る。同党は議席消滅の危機にひんしており、「少数派の意見を反映させたい」と訴えている。